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日本政府に拉致事件解決の実行をする気がないひとつの証明

  • 2016年3月2日
  • 読了時間: 4分

龠龠龠

ーシリーズ 天衣無縫 三宅の一刀両断!ー  拉致事件解決を阻む政治の罠 ~日本政府に拉致事件解決の実行をする気がないひとつの証明~ 包括的解決という名の欺瞞  平成14年9月17日訪朝した小泉首相と金正日の間で締結された日朝平壌宣言の要旨は、日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、その上で日朝国交回復を実現しようとしたものである。 そして北朝鮮に対して日本からの巨額の現金を賠償及び経済協力という名目で支払うものとすることを文書化したものである。 拉致事件の解決にとって大きな罠といえるのは、この中で記された懸案事項の解決である。この中身は政府が常に口にする「拉致・核・ミサイルの包括的解決」である。 私自身、「拉致・核・ミサイルの包括的解決」という言葉に対し深く考えることもせず長期間にわたって疑問を感じなかったのである。 ところが先日拉致問題の解決をいかにして実現するかと考えていた時に瞬間的に違和感を感じた。 果たして拉致問題と、核・ミサイルを一括して解決しようとすることは可能であり、そして正しい政策なのかという大きな疑問である。 核とミサイルは日本及び東アジア全体の国際安全保障の問題であり、日本と同盟国間の緊密な連携及びその中における日本のシビアな対応を必要とされるものである。 文字通り同盟諸国間並びに、東アジア全体の大きな政治課題であるといえよう。 一方、拉致問題はそれらと共通する要素を含むものであるが、それ以上に大きな且つまた違う要素を併せ持つものである。 何より拉致は北朝鮮の国家犯罪にしてテロ行為であり、普遍的な人道問題であり、日本における最大の人権侵害であり日朝二国間の安全保障問題である。 この点に立脚し日本政府は拉致問題に対する基本的姿勢と解決方法を確立しなければならないのだ。 そのような両者の違いを無視して「拉致・核・ミサイルの包括的解決」を常に発言するのは大きな欺瞞であり、本質的に異なる人道上の問題と国際安全保障の問題とを一括することによって拉致問題解決の実現を困難にすると共に、国民に向けて拉致問題が解決できない原因と責任を国防に転嫁しようとするきわめて狡猾で巧妙なやり方であるといえよう。 このことに気付いた直後に特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏に連絡をし、拉致問題解決をしようとする我々はこのような欺瞞的な仕掛けと包囲網を打破しなくてはならないと意見の一致をみた。 拉致事件解決の為には拉致をその他の問題と切り離していかなければならない。 そうすることによって初めて拉致事件の解決に繋がるのである。 今のままでは「拉致・核・ミサイルの包括的解決」は北朝鮮の金王朝体制或は北朝鮮国家の崩壊を待たねばならなくなるのだ。 しかしながら、中国もロシアも韓国もアメリカもそして日本もこれら五か国は北朝鮮の国家崩壊を望んでいないのである。 これら五か国にとって朝鮮半島は現状同様南北に分断固定化されて安定している方が各々の国にとって都合が良いのである。 もし北朝鮮が崩壊した場合に想定されるあらゆる混乱や、統一された朝鮮半島の出現は東アジア全体の安全保障体制の枠組みを根本的に変えることになるのだ。 その為に六か国協議の北朝鮮を除く周辺五か国は必死になって北朝鮮を支えているのが現実の姿である。 北朝鮮はこれら五か国の思惑を見据えた上で「我が国が崩壊して困るのはお前達だ。」と開き直り、恫喝すると共にやりたい放題を繰り返してきたのである。 この様な東アジアの構図を前にして拉致問題解決を実現する為には人道的問題である拉致と国際安全保障の問題と峻別しなくてはならないのだ。 我々救出活動に携わる者や拉致問題解決を願う者は、これらの仕掛けられた過去の流れを断ち切って厳然とした姿勢で立ち向かわなくてはならない。                       特定失踪者問題調査会常務理事・前衆議院議員  三宅 博

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